5.1chサラウンド原理主義派 vs ライフスタイル派 by エンスー麻倉
これはオーソドキシーを尊ぶか、それとも便益性を優先するか−−の
ひじょうに哲学的な設問ですね。何はともあれ、5.1チャンネルの
本来の音場を再現する(制作者の意図のとおりに)ことを優先するのか、
それとも、サラウンドを再生するのが生活の場であることを第一に考えるのか
の違いでどちらも正解になります。
映画の制作者が意図したサラウンドでの音の移動感、雰囲感などを
正確に再現しようと思うのなら、リアル配線、リアル配置の5.1サラウンド
システムに優るものはありません。それは原理主義というものでしょう。
しかし、生活を楽しみながら、サラウンドも聴きたいという人もいるはず。
それなら、前方のスピーカーだけのバーチャルということになります。
それはそのニーズに合っているわけですから、正解ですね。
しかし、ここでリアル配置以上に気をつけなければならないのが、
バーチャル・サラウンド効果と音質です。
まず「効果」については、何らかの細工をしているわけですから、
何らかの不自然、不都合は大なり小なりあります。
それが許容範囲かどうか。それは音質についてもいえます。
「サラウンド効果」と「音質」はまったく違う概念なのです。
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