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デジタルならではの音の良さを引き出せるか? by エンスー麻倉怜士

デジタル・アンプは音が悪いというのはオーディオ世界の常識でした。

だから、デノンはデジタル・アンプを手掛けていませんし、他社でも、メインストリームは
アナログが圧倒的に優勢なのです。でもデジタルだから音が悪いというのは、
他のメディアでは、ちょっと不思議な言い方ですね。

音楽CDの音はいまひとつとする人もいますが、次世代のSACD(スーパーオーディオCD)
の音を悪く言う人はいないでしょう。ただし、SACDにふさわしい演奏、ミキシング、
マスタリングが行われるという条件が必要ですね。

 デジタル・アンプも同じで、「デジタルだから」という運命論的なものではなく、
いかに「デジタルの良さを出すか」という前向きな姿勢で開発するならば、
うまくいかないこともないのです。その典型がソニーの TA-DA9100ESですね。
私はその前身機の開発当初の音を聴いたことがありますが、驚くほど程度が低かった。
それが、もう何百倍という音質向上が開発期間全体を通じて成し遂げられ、
驚くほど音質が向上したのです。

 今回のモデルチェンジでは、さらに音が良くなりました。その音がいかに素晴らしいか。
私は9月に日本経済新聞のウェブサイトで、こう書きました。
 「私は、ソニーには、ハイエンドをつくる力がまだあるという実例を知っている。
AVアンプである。今度出るTA-DA9100ESという高級アンプは、技術者が自分の耳に
絶対の信頼を置き、極限までこだわってつくったものだ。私は、五嶋みどりと今井信子が
演奏するモーツアルトの協奏交響曲変ホ長調の第二楽章の哀愁のメロディが、これほど
哀切な感情を湛えて演奏された例を、このアンプ以外に知らない。
この音が実現できたことこそ、ソニーのコア・コンピタンスではないか。ものづくりの規範であり、
全ソニー関係者がリファレンスにすべきだ」。

それほど素晴らしい音楽が TA-DA9100ESで聴けるのです。
常識を圧倒的に打破した、まさにデジタルならではの高音質なのです。

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nari

トラックバックありがとうございます
 ただ、私的な意見として、デジタルアンプとアナログアンプを比較する意味は無いと思います。
 デジタルアンプは、気になる音が多いのは事実だと思います。本格的なデジタルアンプは、結果的にアナログアンプの音が出せるデジタルアンプということなのではないでしょうか?
(デジタルがアナログを超えるのではなく、アナログに匹敵するデジタルの音ができるようになった)
 今のアンプは、デジタルデータをアンプ側で加工した結果をスピーカから出力しています。デジタルアンプが好きになれるかどうかは、この加工結果を好きになれるかどうかなのではないでしょうか。
by nari (2005-12-06 12:22) 

VSリコメンドッチ?

リコメンドッチ編集部のナガイです。
nariさん、コメントありがとうございます。

確かに厳密にいうとアナログだからいいとかデジタルだからいいというのは、無意味だというのは麻倉さんの原稿にもあるとおりです。
ただ、nariさんがコメントされるように「デジタルアンプは気になる音が多い」。これはオーディオファンの多くが指摘するところです。
つまり原因のいかんは別として「満足できる音のデジタルアンプは少ない」わけですね。その意味ではnariさんのおっしゃるような「アナログに匹敵するデジタルの音」というのが今回紹介してるSONYのTA-DA9100ESなんでしょうね。

ちなみにnariさんご自身はデジタルアンプの「加工結果」でお好きなものはありますか?
by VSリコメンドッチ? (2005-12-06 15:11) 

モリュ

トラックバックありがとうございます。
オーディオのことについてはまだ全然詳しくないのでここのサイトで少し勉強させてもらおうかな^_^;
by モリュ (2005-12-06 21:32) 

VSリコメンドッチ?

モリュさん、コメントありがとうございます。
リコメンドッチのナガイです。

麻倉さんのマガジン以外にも、なにかオーディオについての質問が
あったら、こちらにコメントとして書き込んでいただければ、我々で
分かることであればすぐに、我々の手に終えないやつでもお時間
いただければ、オーディオに詳しい方々がウォッチしているので、
何かしらアドバイスをいただけると思いますよ。

ぜひ勉強していってください。
by VSリコメンドッチ? (2005-12-06 21:50) 

和泉

TBありがとうございます。
激戦状態にあるジャンルの製品て、開発者の工夫とか作りこみが
すごくて一種の美しさがありますよね。

この激戦状態が続いて、デジタルアンプもアナログアンプも
更にブラッシュアップされて、ピュアオーディオのほうにも
なんらかの形でフィードバックされればいいな、と思います。
by 和泉 (2005-12-07 06:00) 

VSリコメンドッチ?

和泉さんコメントありがとうございます。
リコメンドッチ編集クラモトです。

和泉さんのおっしゃるように激戦状態にあるジャンルの製品はコストパフォーマンスも高いですし、デザインも美しいものがでてきますね(例外ももちろん沢山ありますが)。

オーディオ関連で激戦といえば一見するとデジタルポータブルプレーヤーだと思いがちですが、実際には大手2,3社がシェアを握っていて、しのぎをけずるっていう感じではありません。それにひきかえ、ホームシアターも含めたオーディオの世界は一時期ほどではないにせよ、まだまだメーカーの数は数多く、それぞれに個性を出し合い、しのぎをけずっています。

デジタルポータブルプレーヤーばかりが「激戦区」とマスコミでは取り上げられますが、私はピュアオーディオの方が、ずーっと昔から激戦が続いていると思います。
by VSリコメンドッチ? (2005-12-07 10:06) 

ライ麦畑

拙Blogへのコメントありがとうございました。
デジタルアンプについては個人的に拒否感は持っていません。 ただ、デジタルは技術的に発展途上中であり、直ぐに陳腐化してしまうのでは?との懸念を多くのオーディオ愛好家が抱いているのではないでしょうか。 高いお金を出すからには、長く使いたいと思うのが人情ですよね。

このデジタルの時代に、レコードを初めとするアナログが淘汰される事なく現在も愛好されているように、アナログアンプもいつまでも愛し続けられると思います。
by ライ麦畑 (2005-12-07 17:30) 

VSリコメンドッチ?

ライ麦畑さん、いらっしゃいませ。
リコメンドッチ編集クラモトです。

確かにデジタル機器の進歩の速さは驚異的ですよね。
すぐに時代遅れになってしまうのではと心配するのも無理はありません。dccやLD、VHD、さらにはつい先日DATまで生産終了の訃報がとどきました。デジタルとははかなきもの……。
でもアンプについては、ほかの機器の進歩があっても再生できないということはありません。だからデジタルアンプなら長く使えますよ(w

でも一方では、おっしゃるようにアナログアンプも長く残りそうです。ま、オーディオの世界はいまだにSP盤を愛聴する人がいるんですから、永久に生き残りそうな気はします。
by VSリコメンドッチ? (2005-12-07 19:30) 

駅長

ソニーの TA-DA9100ESがいよいよはつばいですね。デジタルアンプは残念ながら聞いたことがありません。アナログアンプと音の出方がやや異なるということですが・・・。ただ、個人的にはデジタルアンプということよりも、自動調整機能の方に興味があります。我が家はパイオニアのMCAAを使っているわけですが、全てのスピーカーをそろえることもできず、住宅事情も思うようにならない現状では重要な機能だと実感しています。TA-DA9100ESでは、調整の細かさがひとつの売りのようですが、マニュアル調整機能が解放されなかったようで、残念です。個人的にはスマートなデジタルAVプリアンプの発売を期待しているんですが。70万円のAVアンプより、40万円のAVプリアンプの方が売れると思うんですが。デジタルパワーアンプもあわせて出してくれると、よりその個性や特徴がわかりやすいですね。
by 駅長 (2005-12-08 19:50) 

VSリコメンドッチ?

駅長さん、自動調整機能もTA=DA9100ESの大きな売りのひとつですね。
コメントありがとうございます。編集クラモトです。
駅長さんのおっしゃるようにスピーカーもリスニング空間も、一般人には
かなり制限がありますから、最適なセッティングに自動で調整してくれる機能はとっても助かりますよね! ただ、マニュアルの設定ができないのは残念です。

それからAVプリアンプについては確かに20~40万円クラスの「ボーナスのときにえいやっと思い切ればなんとか買える」ものがほしいですね。ただAVプリというと中途半端なイメージがつきまとって、オーディオマニアには受けが悪いかもしれませんねえ(笑)。

よろしければ駅長さんのご自宅のシステムとかご紹介いただけないでしょうか? ものすごい高い機材で組んでるよりも、コストパフォーマンス重視でやりくりしている方のほうが、皆さんの参考になりますので!
by VSリコメンドッチ? (2005-12-09 13:31) 

駅長

どうも、クラモトさん。駅長です。
我が家も高級機仲間に入りたいのは山々なんですが・・・
AVアンプも70万まで行けば、おいそれと手が出ませんし。

我が家のシステムは
http://homepage1.nifty.com/gatagoto/audio/ongaku0.htm
と最近はじめたブログ
http://gatagoto.cocolog-nifty.com/ongaku/2005/12/post_921d.html#trackback
で紹介していますが、中堅クラスの製品を、
しかも、オークションや中古を活用して組んでおります。

DVD ラックス DU-7
AVアンプ VSA-AX10Ai
パワーアンプ FAST M-300/2
フロントスピーカー ダイヤトーン DS-8000N
センタースピーカー モニターオーディオ GoldReferenceCenter
サラウンドスピーカー ビクター SX-LC33

というようなラインナップです。
スピーカーはダイヤトーンがなくなったこともあって、
寄せ集め状態ですし、部屋は変形していますし、
最初に自動補正機能を使ったときの驚きは忘れられません。
自動補正機能は一度使用して、
スピーカーの距離などが左右で異なったら、
きちんとそろうまで実際に追い込んだりするとさらによくなるんですよね。
パイオニアは5センチ刻みですが、ソニーは1センチ刻みまででるようですし。
一般的には過敏かもしれませんが、マニアには魅力があります。
自動補正機能は1度しか使わないという記事をよく見ますが、
何かしたら、確かめるという感じで、うちではよく使っている気がします。

どうせならということで周波数の補正もマニュアルでちょっといじってますが、
0.5db、1dbの上下で、微妙に質感が変わることも学びました。
ソニーにはそこを開放して欲しかったですね。
追い込んだあとの、最後の心地よさは個人差があるので、
塩とか、コショウのひと振りという感じで使いたいのです。
ソフトのバージョンアップなどで対応してもらえると喜ばれるかも。
by 駅長 (2005-12-10 22:45) 

VSリコメンドッチ?

駅長さん、システム構成をお知らせいただきありがとうございます。
お返事が送れて失礼しました、クラモトです。

ホームページとブログもちらっと拝見いたしました。
新しいFASTのパワーアンプ、最初はそれほど変化が大きなかった
ようですが、いろいろアクセサリ関係を調整したら、それまでのラックスと違う音が聴こえ出したようですね。そういう細かいところでいろいろと
セッティングに悩めるのがオーディオの醍醐味!
それにしても周波数の補正を0.5dbでやって違いが分かるというのは
すごいですね。私なんか耳がおおざっぱなもので、とてもそこまで
聞き分けられません。
まあ、それだから安いオーディオでもなんとか満足していられるのかも
しれませんが(笑。

でも確かに駅長さんのような方のために、隠し味的な微調整ができる
余地をユーザーに与えて欲しいものですね!
by VSリコメンドッチ? (2005-12-13 17:07) 

jazzaudiofan

拙ブログにコメントをありがとうございました。

アメリカにいると、これからはデジタルアンプの時代だと思います。小さくて熱を出さず、大きなパワーを安く得られるところがポイントです。音質も第2世代、第3世代の増幅モジュールが出てきて、またモジュールの使いこなしという点でも技術がこなれてきて、どんどん良くなっているようですし、今後もさらに良くなるでしょう。

ただ、良い音を、あるいは大きなパワーを「小さく・安く」手に入れられるのがデジタルアンプのポイントだと思っているので、大型AVアンプ(しかも価格が高い)はちょっと・・・。え?と驚くくらい小さくて安いマルチチャンネル・パワーアンプなら歓迎しますが。

最後に、このブログはソニーの系列会社が運営する商業サイトの一部なのですよね? その割にはエディトリアル・コンテンツが少なく内容も薄いですし、他の人(民間人のオーディオファン)のコメントに頼っているのは変だと思います。
by jazzaudiofan (2005-12-13 17:09) 

VSリコメンドッチ?

jazzaudiofanさま、アメリカからのコメントありがとうございます。
アメリカだと大きさとか発熱量や消費電力なんか気にしないのかと思いましたが、そうでもないんですね。確かに新しい技術をどんどん取り入れていく進取の精神には富んでいると思ってましたが。

大きなパワーをより小さく安く手に入れられるデジタルアンプの良さを、
大型AVアンプに適用して、より大きなパワーを手に入れるというのもありだと思いますが、いかがですか?

それからコンテンツについてのご意見、ありがとうございます。
なるべく多くの人が参加しやすいように作っているため、jazzaudiofanの
ようなマニアの方には物足りないところもあるかと思います。
ただ、あくまでブログを媒介にしたコミュニティーのようなものを目指して
おりますので、jazzaudiofanさんのような知識のある方にどんどん参加
していただきたいと考えております。
これからも遊びに来て、コメントなりツッコミなりを入れていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。
by VSリコメンドッチ? (2005-12-14 10:48) 

白河夜船

最近オーディオに回帰し数年です。現在、2CHからマルチで聴くCDの音楽に魅せられて、デジタルアンプに関心があります。今使用しているるデノンAVC-A1SRA(7.1Ch)からソニーのTA-DA9100ES(9.1Ch)にGrade Up?しようかと悩んでいた。ソニーのAVアンプの評論を読み、秋葉原のオーデイオショプにて実際に聴き比べし、気に入ったら、当該デジタルAVアンプに新規購入する決断のベースが出来たようですが。
by 白河夜船 (2006-01-01 11:27) 

VSリコメンドッチ?

白河夜船さん、コメントありがとうございます&明けましておめでとうございます。リコメンドッチのクラモトです。

最近オーディオに戻ってきている人が多いようでうれしい限りです。私も小学5年のころ、NHK教育テレビで司会の西依ちづるさんの笑顔にひかれて「趣味講座オーディオ入門」を見るようになってから、中学・高校とオーディオにはまってましたが、CD全盛になってからオーディオから離れてしまいました。
ホームシアター全盛になった今、あらためてホームシアターでは追いきれないオーディオの楽しさに再開した気がします。そういうオーディオ復活派にとってはTA-DA9100ESのような高級デジタルAVアンプはいいものですね。

ぜひご自分のお年玉としてお買い上げになられたら、こちらにレポートをコメントしてください。
by VSリコメンドッチ? (2006-01-01 14:07) 

白河夜船

スピーカー以外のオーディオ機器の技術進歩にはビックリしています。
素朴な疑問?ですが、教えて下されば幸いです。
・スピーカー:JBL4312Mが余分にあることから、現在、9.1Chにする予定でソニー製のデジタルアンプ等を検討していますが、新たな疑問として、SACDをマルチチャンネルで聴く場合、デジタルアンプにもスピーカーとの相性があるのでしょうか?                    現在、バックサラウンドとして使用している1975年製のダイアトーン(DS-50CS)以外、ほかのオーデイオ機器は、ホームシアター兼用とグレード・アップのため更新中です。因みに、使用中のスピーカーは、Front:JBL4338、Center:JBLS2800C、Surroud:JBL4304H、Woofer:YST-SW800です。また音楽はクラシックからイージーリスニングのポピュラーとJAZZのスタンダードまでです。
by 白河夜船 (2006-01-02 12:23) 

VSリコメンドッチ?

白河夜船さん、再度のコメントありがとうございます。編集部のナガイです。
さて、ご質問の件ですが、デジタルアンプにもスピーカーとの相性があるかどうか?
基本的には相性の善し悪しはあります。ただし、それ以上にリスナーとの相性の善し悪しの方が先に問題になると思います。
たとえば今回のアンプ対決でとりあげたデジタルアンプのSONY TA-DA9100ESですが、設置環境を自動解析してリスニング環境に適した音場をつくる“自動音場補正機能”を備えています。これによって、全てのスピーカー特性をフラットにする「フラット・モード」、前方スピーカーの特性を基準にして、サラウンドスピーカーの特性をそれに合わせる「フロント・リファレンス」、ソニーが設計環境に使っているテストルームのゆったりした音場感を提供する「エンジニア・リファレンス」、以上3つのモードを瞬時に切り替えができます。ここまでできると、アンプとスピーカーとの相性うんぬんはかなり補正が可能だといえるでしょう。
しかし、どこまでいっても完成されることがないのがオーディオの奥深さです。リファレンスソースやそのときのリスナーの気分によって、同じシステムなのに違う音が聞こえるというのもよく言われるところです。
やはり新しい機器を購入するときには可能な限り自分のオーディオ構成に近い状況で、一番お気に入りのリファレンスソースで視聴することがいいと思います。行きつけのショップがあって高価な商品を購入するなら、展示品の貸し出しを頼んでみてはいかがでしょう? やはりご自分の家で鳴らすのが一番いい視聴環境ですから。
by VSリコメンドッチ? (2006-01-02 23:51) 

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